アロマ独学:植物油、その他基材について。
基材は、植物油など油性の素材、エタノールやグリセリンなど水制のもの、その他みつろうやクレイなどさまざまなものがあります。基材にはそれぞれの特徴があり、さまざまな特性や作用をもっています。さまざまな素材を知っておくと、アロマテラピーの楽しみがひろがります。
ハーブやその他の材料は、飾りや色づけのために、そして増粘材や保留材としてなど様々な目的で使用されます。
今回は、基材(植物油など)とハーブその他の材料について解説します。
目次
1.基材としての植物油
(1)植物油とは
(2)食用と美容用の違い
(3)植物油の大きな特徴
(4)不飽和脂肪酸について
(5)植物油が作られるまで
(6)植物油を使う時の留意点
(7)植物油の種類
2.水溶性の基材
(1)エタノール
(2)グリセリン
(3)精製水
(4)芳香蒸留水
3.その他の基材
(1)ミツロウ
(2)はちみつ
(3)ソルト
(4)クレイ
(5)重曹
(6)クエン酸
(7)その他
4.手作りのアロマクラフトとハーブその他
(1)ドライハーブ
(2)ハーブ薬
(3)顔料他
(4)その他
5.基材の購入の仕方と留意点
(1)購入方法
(2)おすすめのサイト
1..手作りのアロマクラフトの基材としての植物油
(1)植物油とは
植物油とは植物に含まれる脂質を抽出・精製した油脂・油で植物油脂とも呼ばれています。キャリアオイル、ベースオイルなどとも呼ばれるものです。精油が親油性で皮膚への浸透性が高いことから、トリートメントオイルやクリームなどを作る際に使用されなす。
植物油は、植物の種や胚芽、実に含まれる油分を取り出して作られます。近年は技術の発展によりさまざまな植物から油が作られるようになっています。植物油には様々な種類があります。代表的なものには、スイートアーモンド油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油などがあります。
市販されている植物油は「精製されたもの(クリア)」と「未精製のもの(ゴールデン)」があります。クリアは色や香りがあまりなくクセがないため、誰にでも使いやすいのが特徴です。それに対してゴールデンは、色や香りがありクリアに比べて粘性も強く、ホホバ本来の栄養価が損なわれずに含まれています。それぞれの特徴や性質を理解して用いましょう。
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(2)食用と美容用の違い
植物油には、食用(食品グレード)と美容用(化粧品グレード)の2種類があります。例えばオリーブ油ですが食用と美容用では、香りや色、肌ざわりなどに違いがあります。それらの差は、油の精製度によるものです。使う用途にあった精製をされているということです。用途に合わせたものを使いましょう。アロマグッズを作る場合は美容用(化粧品グレード)を使いましょう。
(3)植物油の大きな特徴
油脂は脂肪酸でできていますが、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。飽和脂肪酸は牛や豚などの動物性油脂に多く含まれています。不飽和脂肪酸は植物油や魚油に多く含まれています。
飽和脂肪酸は、体を維持するためのエネルギー源となる反面、体内で固まりやすく、生活習慣病などの原因になると危惧されています。特定の不飽和脂肪酸を多く含む植物油は、それらを予防する効果があると注目されています。
(4)不飽和脂肪酸につて
植物油に多い不飽和脂肪酸は、結合の状態により一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。
・一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸やパルミトレイン酸などがあります。オレイン酸は保湿力が高いと言う特徴を持ち、古くから美容用として使用されています。パルミトレイン酸は人間の皮脂に約10%含まれている成分で、皮膚の再生を促すといわれています。
・多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸にはリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸などがあります。
リノール酸、リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸は、人の体内では作ることができず、食べ物摂取する必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれています。人の体の働きを調整するために重要な働きがあることが知られています。
ただし、保存する場合は酸化して変質しやすいため注意が必要です。
(5)植物油が作られるまで
植物油は、前処理、搾油、精製という一連の工程をへて作られます。それぞれの工程の処理方法により作られる油の特徴が変わってくるので、その基本を知っておくと良いでしょう。
・前処理
種子や果実などをそれぞれの特性に合わせて、油を絞りやすくするための前処理をします。代表的な前処理は材料を砕いたり、加熱したりすることです。
・搾油
原料から油を取り出すための工程で幾つかの方法があります。それぞれの方法によって油の特性が変わってくるので基本的なことを理解しておくとよいでしょう。
・低音圧搾法(コールドプレス)
原材料に低温の熱を加えて圧搾する採油法です。
・加熱圧搾法
効率よく油を取り出すため、加熱してから原材料に圧をかけて搾油する方法です。
・抽出法
油分の少ない原材料の場合に、溶剤を使って油を溶かし出す方法です。
・精製
取り出した油から有機物質などの不純物を取り除くため、化学的処理をほどこして精製します。精製が必要ない植物油もあります。精製すると原料特有の香りや色は少なくなりますが、使い勝手はよくなります。美容用オイルでは、精製(クリア)、未精製(バージン)という名で販売されているものもあります。使用する目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。
(6)植物油を使う時の注意
①使用する植物油の選定
植物油は、含まれる脂肪酸の種類により特質に大きな違いがあります。基本的な性質を理解して使用するとよりよく使うことができます。
②植物油の保存方法
植物油を劣化させる「酸化」の原因は、光、熱、空気です。これらを極力避けて保存することが上手な使い方のコツです。直射日光を避け冷暗所に保管し、開封したら冷蔵庫に入れ、なるべく早めに使いきりましょう。植物油が痛んでいるかどうかの判断基準は匂いと味です。いつもと違う変な匂いや味を感じたら、すぐに使用を中止し廃棄することをおすすめします。
(7)植物油の種類
植物油は、植物の種や肺芽、実に含まれる油分を取り出してつくられます。また、常温で固体となる油脂はバターといいます。植物油&バターには、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸など美容に有効な成分が多く含まれており、肌へのいい働きをするものがたくさんあります。
たくさんある植物油やバターの中から主にアロマテラピーやアロマクラフト作りに利用されているものを紹介します。
①持っていると便利な、基本の植物油
使いやすく手に入りやすい植物油をまず定番として使用してみましょう。単品でもブレンドしても使えて、幅広い用途で使用できます。
②ブレンドに使いやすい植物油
植物油にはそれぞれ様々な特徴があります。スタンダードな植物油に慣れてきたら、次の3つをブレンドしてみましょう。
③その他の植物油
植物油の抽出方法には、植物から直接搾って採る圧搾法や、ハーブを植物油に浸して有効成分を進出させた浸出油などがあります。
精製されていない天然のものは栄養成分も豊富です。含まれている油脂、成分、色、特質、浸透性なども様々です。その特徴を理解し、肌質や目的に合わせて選ぶことが大切です。
④バター
植物性油脂の中で、常温で個体になるものをバターと言います。バターのほとんどは手で温めるなど、体温で溶けます。
・代表的な植物性バター
使いやすく手に入りやすい植物性のバターをまず定番として使用してみましょう。単品でもブレンドしても使えて、幅広い用途で使用できます。
2.手作りのアロマクラフトのための水溶性の基材
(1)エタノール(エチルアルコール)
親油性(脂溶性)の精油と水と混ぜる目的で使用します。
精油は水にほとんど解けませんが、エタノールにはよく溶けます。エタノールは薬局で購入できます。アルコールの純度の違いにより、無水エタノール、エタノール、消毒用エタノールの3種類がありますが、エタノールを利用すると良いでしょう。
(2)グリセリン
油脂のグリセリドからとれる無色透明の液体です。皮膚を柔らかくする作用などがあるといわれています。水やアルコールによく溶け、食品の添加剤や化粧品の保湿剤として使われています。
(3)精製水
不純物が極めて少ない純度の高い水として薬局で売られています。一般の水道水に含まれている塩素系の消毒剤が含まれていないので、医療や美容の目的に利用されています。
日常で精製水を使用する場合は使用期限に注意することが必要です。直射日光のあたらない冷暗所(冷蔵庫)などに保管し、使用期限内でも開封後はすみやかに使用しましょう。
(4)芳香蒸留水
ローズ、ラベンダー、オレンジフラワー(ネロリ)などの芳香蒸留水が一般に市販されています。
(5)酒
お酒(さけ)は、(1)で説明したエタノールが含まれた飲料の総称です。お酒の歴史は非常に古く、有史(文字の歴史)以前から作られていました。
ワイン、日本種、ビール、ウォッカなど、お酒にはその原料と醸造法により様々な種類があります。癒しのためのp飲みのもとしてだけでなく、美容や健康の面でもお酒はいろいろ利用されてきました。アロマクラフトの基材としてもエタノールと同じように利用することができます。
(6)その他
お酢やビネガー、ミルクなども入浴剤などアロマクラフトの基材として利用されています。
3.手作りのアロマクラフトのためのその他の基材
(1)ミツロウ
ミツロウも 市販されている製品は「精製されたもの(精製)」と「未精製のもの(未精製)」に大きく分けられます。精製されたものは色や香りがあまりなくクセがないため、誰にでも使いやすいのが特徴です。それに対して未精製なものは、色や香りがありクリアに比べて粘性も強く、ミツロウ本来の栄養価が損なわれずに含まれています。
(2)ハチミツ
(3)天然塩
(4) クレイ
(5)重曹(炭酸水槽ナトリウム/重炭酸ナトリウム)
発砲する入浴剤の基材として用います。皮膚を滑らかにする効果があり、湯あたりを和らげるといわれています。
(6)クエン酸
クエン酸は主に、レモン、みかん、グレープフルーツなどの柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味(すっぱい)成分です。クエン酸はさらさらした白色の結晶性の粉末状で販売されています。料理や重曹と同じように掃除に利用されています。入浴剤として重曹とあわせて使用すれば、発泡する入浴剤になります。
(7)その他
シュガー(砂糖)、米ぬか、オートミール、などいろいろな食材も基材として利用することができます。
4.手作りのアロマクラフトとハーブその他
(1)ドライハーブ
芳香植物(ハーブ)を乾燥させたものがドライハーブです。たとえ同じハーブでも精油とドライハーブは、それぞれ違う個性の効能をもつことが多々あります。石けんや化粧品をつくるときは、そのまま使ったり、ミキサーや乳鉢などで砕いて使用します。ハーブ薬を作ったり、ハーブの色や素材感をいかして、色づけや飾りとして使います。
(2)ハーブ薬
ハーブ薬は、芳香植物(ハーブ)をオイルや、アルコール、お湯などで浸出することにより、その薬効成分を取り出したものです。浸出油、チンキ剤などは手軽に作れて、昔から民間療法に利用されてきました。これらを目的に合わせて上手に使うことで、作るアロマクラフトに豊かな植物の香りと効果を加えることができます。
(3)顔料
アロマクラフトの色付けには天然の顔料を使用します。天然の顔料には鉱物由来の顔料(天然の鉱物を砕いて細かくしたもの)と、植物由来の顔料があります。目的に合わせて使い分けると良いでしょう。
(4)その他
アロマクラフトに粘性を加える増粘材(キサンタンガムなど)や香りを長持ちさせる保留材(オリスルートなど)、材料の参加を抑えるための酸化防止材など、いろいろな材料があります。
5.手作りのアロマクラフトのための材料の購入の仕方と留意点
(1)購入方法
これまで説明してきた材料ははたくさんのメーカーから販売されており、その価格や品質もさまざまです。使用目的によっても選び方もさまざまです。購入する場合には、使用する材料が化粧品グレードを使用した方が良いのか、食品グレードでもよいのかをまず確認して購入することが重要です。ここでは、初心者のかたがアロマクラフト作りのために安心して使用できるブランドをいくつか紹介します。
(2)おすすめの購入サイト
①一般的で初心者向けの精油
一般ユース、プロユースとも幅広く使用されているブランドです。当サイトでも、アロマクラフト作りに使用しています。
・ニールズヤード
https://www.nealsyard.co.jp
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